公開日:2024/08/14 | 作成者:Uラボ編集部

ラボ型開発とは?他の開発手法との違いやメリット/デメリットを解説

本記事ではラボ型開発について言葉の意味から、他の開発モデル(例えば請負型開発やSES)とどのように異なるのか、そのメリットやデメリットまで基本的な情報を紹介していきます。

目次

    1.ラボ型開発とは?

    ラボ型開発は、クライアント専任の開発チームを外部企業が用意し、そのチームがクライアントのプロジェクトに専念する開発モデルです。このモデルは特に長期的なプロジェクトや柔軟な開発が求められる場合に効果的です。また、国内だけでなく国外でラボ型のオフショア開発を行うケースもあります。

     

    2.ラボ型開発と他の開発モデルの比較/関係性

    2-1.ラボ型開発と請負型開発の違い

    ラボ型開発と請負型開発は、どちらも外部のリソースを活用するという点では共通していますが、契約内容や開発の進め方に大きな違いがあります。ラボ型開発は、一定期間の契約で専任の開発チームを確保するのに対し、請負型開発は特定の成果物を納品することを目的とした契約です。

    つまりラボ型開発では、プロジェクトの途中で仕様変更があった場合でも、追加の見積もりや契約変更が必要ありません。また仕様変更などによりリソースに余裕が出た場合は別のプロジェクトにリソースを割くことも可能です。

     

    2-2.ラボ型開発とSESの比較

    ラボ型開発とSES(システムエンジニアリングサービス)は、似たような形態ですが、SESは人材の派遣に焦点を当てており、クライアントがプロジェクト管理を行います。一方でラボ型開発では、専任チームがプロジェクトの一環としてより深く関わるため、品質担保やエンジニアの管理はブリッジエンジニアと呼ばれる開発チームの連絡役が担うことが多いです。

     

    2-3.ラボ型開発とアジャイル開発の関係性

    アジャイル開発は、頻繁に変わる要求に対して迅速に対応するための開発手法です。ラボ型開発は、アジャイル開発と相性が良く、仕様変更やプロジェクトの進行に合わせて柔軟に対応できるため、アジャイルのメリットを最大限に引き出すことが可能です。

    逆にウォーターフォール開発の場合は事前に要件が定まっているため、請負型開発の方が費用を抑えられるケースが多いです。

     

    3.ラボ型開発の主なメリット

    3-1.コスト削減効果

    ラボ型開発では、専任の開発チームを長期間確保できるため、大規模なプロジェクトや長期的な開発ではスケールメリットを活かしてコスト削減が期待できます。請負型のように、納品後の修正や仕様変更に追加費用が発生するリスクが少ないため、予算管理も容易です。

     

    3-2.柔軟性とスケーラビリティ

    プロジェクトの進行に伴い、チームの規模やプロジェクトのスコープを柔軟に調整できるのがラボ型開発の強みです。例えば、開発が進む中でリソースを増減させることができるため、無駄なリソースを抱えるリスクを回避できます。

     

    3-3.優秀な人材へのアクセス

    ラボ型開発では、クライアントが特定のスキルを持つ人材を長期間にわたって専任で確保できるため、プロジェクトの品質が安定します。また、長期にわたる同じチームメンバーとの協働により、知識の蓄積とプロジェクトの一貫性が保たれます。

     

    3-4.コラボレーション強化とナレッジの蓄積

    専任チームとの長期的な協働により、プロジェクトの一貫性が保たれ、クライアントと開発チームの間でのナレッジが効果的に蓄積されます。これにより、少ないコミュニケーションでプロジェクトをスムーズに進行することが可能になります。

     

    4.ラボ型開発における課題と考慮点

    4-1.期待値の不一致リスク

    ラボ型開発では、プロジェクトの初期段階で期待値が明確に設定されていない場合、プロジェクトの進行に伴いクライアントと開発チームの間で期待値の不一致が生じるリスクがあります。期待値のズレとして代表的なものがプロジェクトのスピードと成果物のクオリティです。これらは事前に期待値を揃え、定期的にズレを確認することで解消していくものです。

     

    4-2.時間とリソースの管理

    また長期的なプロジェクトでは、リソースの効率的な管理が重要です。プロジェクトが進行する中で、リソースの過剰または不足が発生しないように、定期的な進捗確認とリソースの調整が求められます。オフショアで国外に依頼する場合は、直接コミュニケーションが取れないため、ブリッジエンジニアと定期的にリソースの確認する必要があります。

     

    4-3.低業務量時のコストインパクト

    ラボ型開発では、契約期間中に一定量の仕事を発注する必要があるため、プロジェクトの需要が低下した場合、費用対効果が低くなる可能性があります。このような事態を避けるためには、長期的な開発計画とリソース管理が不可欠です。例えば、クライアントのプロジェクトが減った場合に、社内のプロジェクトにアサインすることで余るリソースを適切に活用することが必要になります。

     

    5.ラボ型開発の成功に向けた注意点

    5-1.明確なコミュニケーションチャンネルの確立

    ラボ型開発では、クライアントと開発チームとの間での円滑なコミュニケーションがプロジェクトの成功に不可欠です。定期的なミーティングやツールによる進捗報告を通じて、チーム間の情報共有を徹底することが重要です。

     

    5-2.チーム目標とビジネス目標の整合

    プロジェクトの目標がビジネス戦略と一致していることを確認し、開発チームがその目標に向かって進んでいるかを常に把握することが求められます。これにより、プロジェクトがビジネスに貢献できる形で進行します。例えば、特定の規模のラボ型開発チームを構築し、特定の一部の業務を回すといった具体的な目標を描くことが重要になります。

     

    5-3.定期的な進捗レビューと調整

    プロジェクトの進行状況に応じて、定期的に進捗をレビューし、必要に応じてプロジェクトの方向性やリソースの配分を調整することが、プロジェクトの成功につながります。

     

    まとめ

    ラボ型開発は、多くのメリットを提供する一方で、いくつかのリスクも伴います。ビジネスの特性やプロジェクトの要件に応じて、ラボ型開発が最適な選択肢かどうかを判断するために、上記のメリットとデメリット、ベストプラクティスを考慮してください。

     

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