公開日:2024/08/21 | 作成者:Uラボ編集部

SDLCとは?システム開発ライフサイクルについて3分で簡単解説!

SDLC(System Development Life Cycle)はシステム開発ライフサイクルの英訳であり、計画から運用までのプロセスを体系的に管理するフレームワークです。開発の品質と効率を向上させ、プロジェクトのリスクを低減するものです。この記事ではSDLCの各フェーズを分かりやすくに解説します。

目次

    SDLCは、通常次の7つのフェーズで構成されます。これらのフェーズを順に進めることで、開発プロジェクトの成功を確実にします。

     

    1. 企画(Planning)

    企画フェーズは、SDLCの最初のステップであり、プロジェクトの全体像を描く段階です。このフェーズの主な目的は、プロジェクトの目的、目標、およびスコープを定義し、プロジェクトが実現可能かどうかを判断することです。

    • ・目的と目標の設定: プロジェクトの最終目標とそれを達成するための具体的な手順を定義します。
    • ・プロジェクトの範囲(スコープ): 開発するソフトウェアの機能、提供するサービス、およびその制約を明確にします。
    • ・リソースの評価: 必要な人的、技術的、および財政的リソースを評価し、プロジェクトのタイムラインを設定します。
    • ・リスク評価: プロジェクトに伴う潜在的なリスクを特定し、リスク管理計画を策定します。

    企画フェーズでの計画が明確であるほど、後続のフェーズがスムーズに進行します。

     

    2. 要件分析(Requirements Analysis)

    要件分析フェーズでは、システムが達成すべき具体的な要件を定義します。このフェーズは、ソフトウェア開発の成功にとって極めて重要であり、全体の設計と実装の基礎を築きます。

    • ・ステークホルダーとの協議: ユーザーやクライアントと密接に連携し、システムが満たすべき要件を収集します。
    • ・機能要件の定義: システムが提供する機能を詳細に定義します。これには、ユーザーインターフェース、データ処理、出力の形式などが含まれます。
    • ・非機能要件の定義: 性能、セキュリティ、可用性、拡張性など、システムの品質属性を定義します。
    • ・要件文書の作成: 収集した要件を整理し、文書化します。これにより、開発チームが共通の理解を持ち、要件の変更に対する対応が容易になります。

    要件が不明確であったり、不完全であったりすると、後のフェーズで重大な問題が発生する可能性があります。

     

    3. 設計(Design)

    設計フェーズでは、要件分析で定義された要件に基づいてシステムの全体的な構造を設計します。設計は、システムの効率と拡張性に直接影響するため、非常に重要です。

    • ・システムアーキテクチャの設計: システム全体の構造を決定し、各コンポーネントの関係を定義します。これには、クライアントサーバーモデル、レイヤードアーキテクチャなどが含まれます。
    • ・データベース設計: データの構造、リレーション、データベースの論理設計を行います。データベースはシステムの中心的な要素であるため、効率的な設計が求められます。
    • ・インターフェース設計: ユーザーインターフェース(UI)および他のシステムとのインターフェースを設計します。UIデザインでは、ユーザビリティを考慮し、ユーザーエクスペリエンス(UX)を向上させることが重要です。
    • ・技術仕様書の作成: システム設計を詳細に文書化し、開発チームがこれを基に実装を進めることができるようにします。

    設計がしっかりと行われることで、開発フェーズにおける問題が最小限に抑えられます。

     

    4. 実装(Implementation)

    実装フェーズは、設計されたシステムを実際にコード化するプロセスです。このフェーズでは、開発者がプログラムを作成し、システムの機能を実現します。

    • ・コーディング: 開発者は、設計文書に従ってプログラムコードを記述します。ここで使用するプログラミング言語やフレームワークは、システムの要件と設計に基づいて選択されます。
    • ・バージョン管理: 複数の開発者が同時に作業を進めるため、コードのバージョン管理を行います。Gitなどのバージョン管理システムがよく使用されます。
    • ・モジュールの統合: 開発された各モジュールを統合し、システム全体が一貫して動作するようにします。この段階で、モジュール間のインターフェースや依存関係を確認します。

    実装フェーズでは、効率的なコーディングと適切なコードレビューが品質を確保する鍵となります。

     

    5. テスト(Testing)

    テストフェーズは、実装されたシステムが正しく機能するかを検証するプロセスです。このフェーズでは、システムが要件を満たしているかを確認し、バグを特定して修正します。

    • ・単体テスト: 各モジュールが個別に正しく動作するかをテストします。これにより、モジュールごとの不具合を早期に発見できます。
    • ・結合テスト: 複数のモジュールが組み合わされた際に、正しく動作するかをテストします。モジュール間のインターフェースに問題がないか確認します。
    • ・システムテスト: システム全体が設計通りに動作するかをテストします。これは、ユーザー要件を満たしているかを確認するための重要なステップです。
    • ・受け入れテスト: 最終的に、ユーザーやクライアントがシステムを評価し、要件を満たしているかを確認します。この段階での承認が得られると、システムは本番環境に移行できます。

    テストフェーズでの徹底的な検証が、システムの信頼性と品質を保証します。

     

    6. 導入(Deployment)

    導入フェーズでは、テストが完了し、システムが本番環境に移行されます。このフェーズは、システムがユーザーに利用可能になる段階です。

    • ・システム移行: 開発環境から本番環境へのシステム移行を行います。このプロセスは、ダウンタイムを最小限に抑えるために慎重に計画されます。
    • ・ユーザートレーニング: システムの利用者に対して、適切なトレーニングを実施し、新システムの操作方法を習得してもらいます。
    • ・ドキュメントの提供: ユーザーガイドや操作マニュアルを提供し、ユーザーがシステムを適切に使用できるようにします。

    導入フェーズでの計画的な移行が、システムのスムーズな運用開始を支えます。

     

    7. 保守(Maintenance)

    保守フェーズは、システムが本番稼働を開始した後も、持続的に機能し続けることを保証するプロセスです。システムの運用中に発生する問題を解決し、必要に応じてシステム

     

    まとめ

    このようにSDLCは7つのフェーズでプロジェクトが進んでいきます。ただしフェーズは1~7を連続して行うのではなく、開発の手法によって1~4を何度も繰り返すなど違いがあります。それらの手法についてはこちらの記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

    システム開発手法6つをそれぞれ徹底解説→

     

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