公開日:2024/08/23 | 作成者:Uラボ編集部

オフショア開発における課題とは?知らない人は必見の解決方法

オフショア開発は、グローバルな人材を活用し、コストを抑えながら開発プロジェクトを進める方法として広く利用されています。しかし、地理的・文化的・技術的な違いからくるリスクも少なくありません。本記事では、オフショア開発に関連する主なリスクと、それらを効果的に管理するための対策について、具体的かつ詳細に解説します。

目次

    1. コミュニケーション齟齬

    リスク:
    オフショア開発では基本的にブリッジエンジニアがいるため、異なる言語による問題が発生することは多くありません。しかし、エンジニアと直接コミュニケーションを取ることがないため、微妙なニュアンスの違いによって、プロジェクトの遅延や品質の低下を招く可能性があります。

     

    対策:

    • ・コミュニケーションルールの設定: 最初に明確なコミュニケーションルールを設定し、定期的な進捗報告や会議のスケジュールを固定します。これにより、全員が期待する連絡のタイミングや方法を理解し、円滑なやり取りが可能となります。
    •  
    • ・必要な設計粒度の決定: エンジニアの実力によって必要な設計の粒度が異なります。オフショアではよしなに問題解決ことが難しいため、判断を任せる部分とそうでない部分を明確にする必要があります。
    •  
    • ・エンジニアの不明点解消方法の確立: テキストベースでエンジニアからの質問に迅速に回答する方法を確立することで、ブリッジエンジニアだけでは解決できない問題によるタスク遅延を防ぐことができます。
    •  

    2. 品質管理

    リスク:
    オフショア開発において、開発チームが異なる技術スタックや開発標準を持つ場合、品質のばらつきが生じるリスクがあります。特に、コードの品質や技術的な標準化が不十分だと、後に大規模なリファクタリングが必要になることも考えられます。

     

    対策:

    • ・技術標準の明確化: プロジェクト開始時に、コーディングスタイル、バージョン管理、テスト手法などの技術標準を明確にし、全員が同じ基準に従うようにします。
    •  
    • ・コードレビュー: コードレビューのプロセスを導入し、全てのコードが品質基準を満たしていることを確認します。自動化されたコードレビューやCI/CDパイプラインを活用することで、品質を保ちながら開発を進めることができます。
    •  
    • ・機能レビュー: エンジニアによって作成されたアウトプットが設計通りであるかの確認を、誰が行うか決める必要があります。
    •  

    3. セキュリティとコンプライアンス

    リスク:
    オフショア開発では、異なる国の開発者がアクセスするため、データのセキュリティやコンプライアンスに関するリスクが増大します。特に、データの保護が不十分な場合、知的財産の流出や顧客データの漏洩など、深刻な問題を引き起こす可能性があります。

     

    対策:

    • ・セキュリティポリシーの策定: オフショアチームが遵守すべきセキュリティポリシーを策定し、全てのメンバーに徹底させます。このポリシーには、データの暗号化、アクセス制限、セキュリティパッチの適用などが含まれます。
    •  
    • ・VPNと暗号化: オフショアチームが会社のシステムにアクセスする際には、VPNの利用を義務付け、通信データの暗号化を徹底します。
    •  
    • ・契約におけるセキュリティ条項: NDA(秘密保持契約)やセキュリティ条項を含む契約書を作成し、法的にデータ漏洩を防ぐ措置を講じます。また、オフショア開発企業が遵守すべき国際的なセキュリティ標準やコンプライアンス規定も契約に盛り込みます。
    •  
    • ・定期的なセキュリティ監査: セキュリティの監査を定期的に実施し、オフショアチームのコンプライアンス状況やセキュリティ対策が適切に行われているか確認します。
    •  

    4. 文化的の違い

    リスク:
    オフショアチームとオンショアチームの間で文化的な違いがある場合、プロジェクトの進行に摩擦が生じることがあります。これには、働き方のスタイル、意思決定のプロセス、時間管理の概念などが含まれ、場合によっては、プロジェクト全体のスムーズな進行を妨げる可能性があります。

     

    対策:

    • ・文化的理解:祝日の違い、残業に対する考え方、期日の重要性など文化の違いを踏まえて、プロジェクトの進め方を考える必要があります。
    •  
    • ・柔軟なプロジェクト管理: 文化的な違いを考慮し、柔軟なプロジェクト管理手法を採用します。例えば、アジャイル開発手法を取り入れ、短期間のスプリントと定期的なフィードバックを通じて、文化的な違いを埋めていくことが効果的です。
    •  

    5. 時差による活動時間帯の差異

    課題:
    オフショア開発では、異なるタイムゾーンに分かれたチームが協力するため、プロジェクトの進行に遅れが生じることがあります。特に、即時の対応が求められる問題が発生した場合、解決が遅れる可能性があります。

    対策:

    • ・タイムゾーンの重なる時間の活用: チーム全体のタイムゾーンを把握し、重なる作業時間を有効に活用します。この時間帯に重要な会議や決定事項を集約し、効率的な意思決定を行います。
    •  
    • ・柔軟な勤務時間の導入: 必要に応じて、オンショアチームやオフショアチームの一部に柔軟な勤務時間を導入し、迅速な対応が可能な体制を整えます。
    •  
    • ・非同期コミュニケーションの強化: タスク管理ツールやプロジェクト管理ソフトを活用し、非同期でのコミュニケーションを推進します。これにより、異なるタイムゾーンでもスムーズにプロジェクトを進行させることができます。
    •  

    まとめ

    オフショア開発は、適切なリスク管理と対策を講じることで、企業にとって大きな成功をもたらす可能性があります。企業は、コミュニケーション、品質管理、セキュリティ、文化的違いといったリスクを認識し、これらに対して効果的な対策を講じることが重要です。これにより、オフショア開発プロジェクトは効率的かつ高品質に進行し、期待される成果を達成できるでしょう。

     

    Contact

    お問い合わせ

    ・エンジニアの採用がなかなか出来ない
    ・採用してもいい期待通りの稼働しない
    ・給与とスキルのマッチする人材がいない

    無料でのご相談も承りますので、お気軽にお問合せください

    1分で簡単お問い合わせ