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オフショア開発とは?未経験者でも5分で分かる意味やメリット

作成者: Uラボ編集部|May 30, 2024 4:56:22 AM

1.オフショア開発とは?

オフショア開発とは、コスト削減を目的に賃金や物価の安い海外に国内から業務の一部を移すことを指します。

オフショアの分かりやすい例がユニクロです。ユニクロは衣服の製造などを海外で行うことによって、高品質かつ低価格で製品を提供することができています。

 

またIT分野においては、コスト削減以外に昨今世界中で発生しているエンジニア不足問題に対してもオフショア開発は活躍をします。現在世界各国の発展途上国は ITに力を入れており、国家が中心となりエンジニアの育成をしていることも少なくありません。そのような国では日本の大学生よりもはるかに優秀なエンジニアリング力を持っている大学生が多いということもあります。

 

一般的には、下記の図のように依頼先の企業は現地のエンジニアとブリッジエンジニアがチームとなります。現地のエンジニアと日本人が直接コミュニケーションをとることは難しいため、プログラミングスキルや日本語が話せるエンジニアが間に入ることにより、プロジェクトの目的やタスクの意図をより正確に伝えることができるようになります。

 

2.オフショア開発による3つのメリット

2-1.人件費の削減

例えば日本人の月給30万円のエンジニアに仕事を依頼していた場合、海外の月給15万円で同じクオリティのエンジニアに仕事を依頼すれば、それだけでコストは約半分になります。また給与だけでなく 福利厚生や採用の費用も オフショア開発では浮かせることが可能になります。

 

2-2. 管理費の削減

人材を雇う際に発生するのは、人件費だけではありません。教育研修費用、ツール費用、他にもオフィスの費用なども人材が増えることにより発生します。これらの費用もオフショア開発では依頼先の企業が受け持つこととなりますのでコスト削減になります。

 

2-3. 優秀なエンジニアの迅速な確保

昨今のエンジニア採用業界は基本的に売り手市場です。エンジニアは求職の要望を出せば、すぐに30件 近くの要望が上がってきます。そのため、そもそもエンジニアを確保することが困難であったり、見つけたとしても要望通りの技術がないことが多々あります。しかし、海外のエンジニアはそもそも需要と供給に対して供給の方が多いため、エンジニアを見つけることは容易です。また、それにより希望のスキルを持つ エンジニアを探すことも国内と比較して容易になっています。

 

オフショアとニアショアの比較についてはこちらから→

 

オフショアとアウトソーシングの比較についてはこちらから→

 

3.オフショア開発の注意点

3-1.言語の壁

どこの国においても必ずあげられる注意点が言語の壁です。やはり海外ということもあり、日本語が通じることはほぼありません。そのため 現地言語や英語でのコミュニケーションが必要になります。これによって直接コミュニケーションが取れず、認識の齟齬が発生するよくあります 。この問題は多くの企業ではブリッジエンジニアの存在により解決されます

 

3-2.エンジニアの技術力

一般的なエンジニア採用でも挙げられますが、採用時点でエンジニアの技術力を見抜くというのは非常に難しいです。しかしエンジニアの質が低いと、いかに上手く管理したとしても十分なアウトプットを得ることは難しくなります。依頼先の企業に正確に要件を伝え、テストアウトプットを出させることでクオリティの高いエンジニアを採用することが重要になります。

 

3-3.クオリティと納期

この問題についてはブリッジ エンジニアの働きが非常に重要になります。ブリッジエンジニアが十分に技術力を持っていない場合や、プロジェクトマネジメント力が低い場合はクオリティの低下や納期遅れの危険性があります。オフショア開発の依頼先を選ぶ際には現地エンジニアはもちろんブリッジ エンジニアの質にも注目してください。

 

 

4.オフショア開発の依頼先はどんな企業があるの?

 主な国は下記の図のようになっており、それぞれ費用や文化の違いなど特徴があります。



人月単価

シニアエンジニア人月単価

特徴

ウズベキスタン

350,000

宗教上の関係から年功序列がしっかりしており、ビジネスにおいて協力関係が築きすい国民性です。

バングラデッシュ

461,300

フレンドリーな人柄で厳しい家庭に育った人は仕事面でも厳格に取り組んでくれる傾向にあります。

ベトナム

491,300

 勤勉で真面目に働き、温厚な人が多く日本人と似た特性を持つ人が多いと言われています。

フィリピン

533,300

家族に何かあったら仕事を休むのは当然なため、「勤勉」とは言い難い性質があります。

ミャンマー

541,600

温和な国民のため、怒られることに慣れていない部分に日本とギャップがあります。

中国

617,900

日本文化と似ている点が多く、特にビジネス文化においては形式を重んじる点が共通しています。

インド

687,500

時間にルーズな傾向があり、納期を定めても罰則がないと守られないことが多いと言われています。

出典:オフショア開発に関するアンケート調査 オフショア開発. com(株式会社テクノデジタル)

 




5.このサービスがマッチする企業

5-1. 短期間でのリソース拡大が必要な企業

短期間で大規模プロジェクトの開始やリソースの確保が必要な場合、オフショア開発であれば 一定水準の技術を持ったエンジニアを迅速に採用しやすいため、費用面以外にもスピード面でのメリットがあります

 

5-2. 緊急対応など深夜まで対応が必要な企業

オフショア開発では基本的にアジア各国を利用することが多いため、時差が1時間〜6時間ほど存在します。そのため現地で18時まで業務をした場合は日本時間の深夜まで稼働することになり対応の幅が非常に広くなります。

 

5-3. 自社にない技術を持った人材が必要な企業

近年では1つの開発案件においても複数の言語が必要な場合もあります。その際に自社に知見がない技術や経験が必要な場合は新たに人材を採用することや知識がない エンジニアを育てることも難しくなります。 このような場合にオフショア開発であれば、ピンポイントで自社にない 必要な技術を持った方が採用できます。



6.オフショア開発の過去と未来

6-1.オフショア開発の過去

・1960年代 - 1970年代

初期の形態: オフショア開発の原型として、タイムシェアリング、サービスビューロー、施設管理などの形態がありました。これらは主に企業が外部のコンピュータリソースや専門知識を利用する方法でした。

 

・1980年代

企業の注目: IBMがコダックのデータセンターを設計・管理し、アメリカでのITアウトソーシングの先駆けとなりました。同時期、イギリスでもグレーター・ロンドン・カウンシルがHoskynsにアウトソーシングを行い、アウトソーシングがビジネスの一部として認識され始めました。

 

・1990年代

インドと中国の台頭: インドと中国のIT企業が急成長し、西洋のITサービス市場に進出しました。Y2K問題(ミレニアムバグ)の対策で、コストを抑えたエンジニア採用を求める企業もあり、オフショア市場は拡大していきました。

 

・2000年代

成熟と競争: インドと中国のITサービス企業が規模を拡大し、トレーニングや投資を増やしました。この時期からオフショア開発は成熟し、さまざまな国からのサービスが提供されるようになりました。

 

・2010年代

日本では「ネクストチャイナ」としてベトナムやフィリピンなど東アジアを中心に様々な国のオフショア開発サービスが開始されています。

 

6-2.オフショア開発の未来

出典:経済産業省委託事業-IT人材需給に関する調査-調査報告書

 

2024年時点で、既に日本国内ではIT人材の供給に対して需要が上回っています。この需給ギャップは今後も増大し続けます。国内のIT産業は日々発展を続けていますが、日本では人口の減少もあり供給が需要を上回ることはないと言われています。

また、続く円安の影響もあり日本の優秀なエンジニアは国外から引き抜かれるケースも少なくありません。

こうした背景もあり、国内ではオフショア開発はエンジニア不足解消の特殊な解決手法ではなく一般的な手法となりつつあります。



E-Commerce & IT Outsourcing Market Research Reports & Industry Analysis

 

このようなエンジニア不足は日本国内だけでなく、全世界で発生している問題でもあります。これによりオフショア開発市場は毎年300億米ドル(約4兆ドル)増加し続けており、今後も世界中で拡大すると予測されています。



まとめ

これまで製造業などでは一般的な手法で利用されてきたオフショアもIT業界で一般化しつつあります。適切に活用をすれば安価な人件費に高度な技術力を持ったエンジニアを大手企業はもちろん中小企業やベンチャー企業も活用しつつあります。メリットとデメリットの両面を理解しつつ、貴社に最適な活用をしていきましょう。

 

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